鎌倉、といえば海が見える絶景のロケーションということもあり、よくドラマの舞台になったりしていますよね。海を見るならやっぱり絶好の季節は夏かなと思うのですが、鎌倉は海だけではなく文学都市としても知られていて、夏が終わったこれからの時期でも魅力がたくさんあります。
明治22年に横須賀線が開通してから、大正、昭和、平成、そして現在に至るまで、鎌倉にはたくさんの文学者が訪れ、暮らし、そして多くの作品を残しています。川端康成・夏目漱石・芥川龍之介も鎌倉にゆかりのある文学者の一部です。そんな鎌倉を愛した文学者たちの生き様を表す展示や文学資料収集保存のために活用されている鎌倉文学館を目的に、数年前の秋に鎌倉に訪れました。
鎌倉文学館で歴史に触れる

JR鎌倉駅から江ノ電に乗り、2駅。「由比ヶ浜駅」で下車し、徒歩5~6分すると、鎌倉文学館の入口へと続く木々に囲まれた長く緩い坂道があります。

坂道を2分ほど歩き進めると、鎌倉文学館の入口にあたる門があらわれます。

こちらで観覧料を支払いし、いよいよ…と思いきやまだ文学館まで道のりがありそう。というのも、この鎌倉文学館は元々旧前田侯爵家の別邸として建てられたものを、1985年以降文学館として活用しているため、敷地がとても広いのです。


トンネルを抜けた先に、いよいよ文学館の入口が見えてきました。

ちなみに入口をそのまま通り過ぎると、広く見晴らしの良い庭園もあります。そちらからは文学館の全貌を拝むことも可能です。

こちらの文学館は、2000年に国の登録有形文化財になっています。洋風な造りでバルコニーもあり、モダンでとてもお洒落。3階建ての建物ですが足を踏み入れることができるのは2階までとなっていました。中に入ると、内装もお洒落。各部屋の照明や暖炉、ステンドグラスが使われている窓もあり素敵でした。また、展示室から外を見ると遠くに海を眺めることもできます。
内部は撮影禁止のため写真には残せませんでしたが、とても貴重な原稿を見られたり、と思えば文学者たちの日常が垣間見えるような手紙があったりと、見ごたえ十分の博物館です。
鎌倉グルメ
文学者たちの歴史や背景にしみじみと触れたところで、お腹も空いてきました。やっぱり旅には、その場所のグルメも外せませんよね。

毎年1月から3月の間は禁漁となっている生しらす、訪れた10月上旬は食べられるとのことだったのですが、やっぱり釜揚げしらすも気になって欲張りにハーフ&ハーフの丼を注文。ふわふわな食感の釜揚げしらすと、プチっとした食感の生しらす。どっちも美味しいのですが、生しらすの食感は未だに覚えているほど初めての感覚でした。
お昼ごはんを食べたらそのまま甘味を求めて再び江ノ電に乗ります。「和田塚駅」を降りると、線路の向こうにお店の入口が。どうやらこの線路を歩いて渡り店内へ入るようです。

ちょっとドキドキしながら渡った線路の先にあったのは、甘味処「無心庵」。お店は古民家風の落ち着いた佇まいです。写真つきのわかりやすいメニューで、種類も豊富。迷いましたが、私は黒ごまきな粉の寒天、友人はクリームあんみつを注文。


甘すぎずあっさりとしていて食べ飽きずに最後まで美味しくいただきました。店内も広すぎず人も多くないので、近くを通る江ノ電の音を聞きながらゆっくりと休憩できる甘味処です。
まとめ
鎌倉観光としてはJR鎌倉駅周辺の観光モデルコース、鎌倉大仏・小町通りを歩くことはよくありますが、今回は鎌倉文学館を目的に訪れ、鎌倉のまた違う魅力を発見できたように思います。
どんな場所で、どんな景色を見て、何を思っていたのか。かつて本当に彼らがこの街で暮らし、海を見て、文学者同士で友好も深め、そして文章を書いていたこと、肌で歴史に触れられたような旅でした。
鎌倉文学館(公式ホームページ)