「哲学」について考えたこと、ありますか?
お恥ずかしながら筆者は普段の生活においてあまり哲学について考えることはないのですが(と言っても興味だけはあり大学時代には講義を取っていたりしました)、そんな「哲学」を視覚的に表現した世界でも例を見ないと言われる珍しい公園、【哲学堂公園】に行ってまいりました!
哲学堂公園とは
哲学堂公園は、哲学者である井上円了氏によって明治37年からおよそ15年かけて整備され創設されました。広々とした園内は、あらゆるところに哲学世界を視覚的に表現されたという建造物、石造物があるそう。
早速、園内に足を踏み入れてみます。

入ってすぐに地図がありますが、とにかく広い!公園への入口も多数あり、ワンちゃんの散歩をしている方やジョギングしている方などもおり、地元の方に愛されている公園のようです。




筆者が訪れたのは2月終わり頃。このときは梅がピーク~ピーク終わり頃で桜はまだツボミだったのですが、冬には梅、春には桜、ほかにも四季折々の風情が楽しめる名所でもあるそうです。


近くに四季を感じられる公園がある生活って、すごくいいですよね。のんびりした空気が流れていて、お天気もよくて、ベンチに座って少しぽーっとしてしまいました。
哲学の庭
梅の木々たちを堪能しながら少し進むと、何やら人型の彫刻が並んでいるちょっと不思議な空間にたどり着きました。


ワグナー・ナンドールという方の作品だそうで、宗教・哲学・法のそれぞれを代表する人々の彫刻が数カ所に、輪になって配置されています。


第一の輪では、キリストやアブラハムといったそれぞれ異なった宗教の祖となった人物達。
第二の輪では、時代は違うが同じように悟りの境地に達し成果を残したガンジーや聖フランシスコの彫刻。
第三の輪では、現在の法律の核を作った聖徳太子やハムラビの彫刻。

様々な国の歴史的人物の彫刻が集まっているこの作品は、それぞれの文化や歴史は違えど、東洋・西洋の壁も超えて人類の平和の理想を願う作者のメッセージが込められているんだそうです。
園内でゆっくり流れる時間の中、深々と考えさせられる少し変わった重厚な空間でした。
様々な建造物や石造物
さて、彫刻を過ぎて川に渡る橋を渡ると、今度は自然に溢れた小さな山が公園の中に現れました。


山に登る階段のふもとには、こんなものが。

園内には、このような看板がたくさんあります。哲学に関するものがあちらこちらに散りばめられていて、ふと足を止めてしまいますね。

階段を結構登ります。階段の途中にも、石造物がありました。


小さな山を登り終えると、今度は歴史を感じる古い建築物がいくつか現れます。




この四聖堂こそが、元々は哲学堂と言われ、この公園の名前の由来ともなっているそうです。




小さな登山をした先には、この哲学堂公園の成り立ちや歴史、そして創設者の思いまでもが感じられる、まさに視覚で表現された哲学世界が広がっていました。
まとめ
山を坂道でゆっくり降りていくと、大きな池も広がっていました。


池には鯉もいて、子どもから大人まで楽しめる、広くて素敵な公園ですね。

そもそも「哲学」とは、人生や世界や物のあり方を、理性と経験から考える学問、人生観のこと。
なかなか普段はあまり触れることのない「哲学」ですが、コロナ禍で例年とは違った経験をした方も多く、人生観についても考えたりすることも、少なからずあったのではないでしょうか?
なかなか本と向き合って、さぁ~勉強だ!と思うと難しく思えてしまう学問も、こうして公園の中で歩きながらふと触れられると、なにかを考えるきっかけの一員になってくれるかもしれません。
自然に包まれながら貴重な経験ができる、稀有で素敵な【哲学堂公園】でした。