奈良でおすすめの神社と言えばたくさんありますが、実際に足を運んで、その空気感をぜひ味わっていただきたいと思うのが「春日大社」です。世界遺産「古都奈良の文化財」として登録されている8つのうちの1つで、地元の人たちにとってもなくてはならない存在です。日々の暮らしに溶け込んだパワースポットとなっています。

春日大社は10月から11月にかけて、七五三のお参りで大変賑わうシーズンに入ります。10月下旬頃からは紅葉も楽しめるとあって、多くの人が訪れます。
先日、娘の七五三詣に春日大社へ出かけました。
七五三のお参りへ


10月の初旬ということもあり、まだ早いかな?とも思いましたが、中に入ってみると何組かご家族が来られていて、かわいい七五三姿が見られました。11月に入ると混雑してくるので、ちょうど頃合いだったと思います。
我が子の成長の無事をお祈りした後は、御本殿への参拝に向かいます。
御本殿へのお参り
まずは、東回廊を通り、御蓋山浮雲峰遥拝所(みかさやまうきぐものみねようはいじょ)へ。

「万灯籠」とよばれる多くの釣灯籠や石灯籠は全国各地から奉納されていて、その数約3000基!信仰の広がりを物語っています。また、春日大社は全国およそ3000社の春日神社の総本社でもあります。

春日大社は、この神山である御蓋山(みかさやま)の麓に、奈良時代の768年に建てられました。
春日大社のご祭神が常陸(ひたち)国の鹿島神宮から白鹿の背に乗り天降された場所と言われています。そのため奈良では現在も鹿が神の使いとして大切にされています。
この遥拝所は浮雲峰から春日大社御本殿を通り、西の平城京大極殿まで続く尾根線上にあります。宮廷の正殿、大極殿へと神様のお力が伝わる尊い場所とされています。

御本殿のすぐ前には中門があります。御廊は中門から左右に広がっており、徳川綱吉や藤堂高虎、直江兼続、宇喜多秀家の寄進による釣灯籠があります。中門より本殿を拝みます。

この日は、たまたま結婚式が執り行われていました。十二単姿がとても素敵でした。

林檎の木の対角線上には、大杉が圧倒的な存在感で息づいています。この大杉は樹齢約1000年とも言われています。

大杉の根元からは斜めに柏槙の木が延びていて、樹齢は約500年といわれています。直会殿(重要文化財)の屋根に穴をあけて生き続け大切にされています。
次に、140年ぶりに開門されている後殿御門へ。

小さな門から4棟の御本殿の後ろ姿を参拝できました。
4棟の御本殿は、称徳天皇の勅命により武甕槌命(たけみかづちのみこと)様、経津主命(ふつぬしのみこと)様、天児屋根命(あめのこやねのみこと)様、比売神(ひめがみ)様をお祀りするために建てられました。
春日大社の御本殿は、一間切妻造りで、正面に片流れの向拝(廂)を設け、曲線を描く屋根と丹塗り(朱色の塗り)が特徴の春日造りと言われる神社建築様式となっています。

続いて、藤波之屋へ向かいます。

ここでは空間を暗くして灯りをともし、万灯籠が再現されていました。万灯籠は年に2回、節分の日の夜と8月14日、15日に行われます。今年の8月は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一般参拝が中止となり規模が縮小されたものの、インターネットで生中継されリモート拝観が行われたそうです。
御本殿の参拝を終え、帰り道に境内にある一言主神社へ。

春日大社にお参りに来た時は、いつもここに寄って帰ります。北参道にある末社で、祭神は一言主神。願い事をひとつだけ叶えてくれると言われています。年に数回来て、その度にお願いするひとつだけがたまると…???叶うといいなと思います。

春日大社では疫病退散を願って作られた絵馬が最近話題となっていて、私もいただいて帰りました。本来絵馬は願い事を書いて奉納するものですが、記念に持ち帰ってもよいとのこと。神棚など高い位置に飾ると良いそうです。


まとめ
今回は着なれない着物と草履姿の娘を連れての参拝でしたので、ご近所ながらも車で向かいましたが、お参りに行くなら、一の鳥居から順に参道を通るコースが断然おすすめです。
神山とさている御蓋山、その奥の春日山は、神域を守るため平安時代に狩猟伐木禁止の太政官符が朝廷より出され、現在まで原生林として保たれてきました。そのため、ここへ来ると原生林特有の自然が持つパワーが満ちている感じがします。パワースポットと言われる所以だと思います。

苔むした石灯籠が両側に連なる参道は、木々の間から日光が差し込み、徐々に神域の空気感が漂ってきます。ここを通ると心が整っていく感じがします。
道すがら、神の使いの鹿たちにも出会えますよ。
春日大社公式サイト:https://www.kasugataisha.or.jp/