『日本で一番おしゃれな神社』として知られている、神楽坂の赤城神社を訪ねました。
伝承によると、正安2年(西暦1300年)に、群馬県の赤城神社から牛込の地に勧請したのが始まりという由緒ある神社です。
現在の社殿は、「赤城神社再生プロジェクト」として、平成22年に竣工しました。神楽坂在住で赤城神社の氏子でもある建築家・隈研吾氏のデザインです。
隈研吾氏は、新国立競技場や角川武蔵野ミュージアムなど、話題の建築デザインを数多く手がけています。驚くほど多作の建築家なので、調べてみると、ここもそうだったのか!と、意外と身近に隈研吾デザインの建築物があります。
隈研吾デザインの神社建築を楽しみに鳥居をくぐりました。
少し行くと、右側にはご神木のクスノキと石造りの階段が見えます。階段ですら、何だかスタイリッシュな雰囲気で、美術館の入口のようでもあります。
左側は建物の下がくぐれるようになっていて、奥には末社の赤い鳥居が見えます。ひとまず階段を上って本殿を目指しました。
階段を上がると、正面に本殿があります。
整然と並んだ木のラインとガラスの透明感が美しく、噂に違わぬ「おしゃれ」デザインの社殿です。
本殿前には、小ぶりな狛犬がいました。スタイリッシュな神社にもぴったりのすっきりフェイスです。
説明書きによると、「加賀白山犬」という珍しいタイプの狛犬さんのようです。

本殿の右手には、新しい大きなマンションが建っています。「赤城神社再生プロジェクト」の一環で建てられたものです。神社の境内にマンション??と驚きますが、このマンションの借地権で社殿などの建て替え費用を捻出したのだそうです。
マンション建設も神社再生プロジェクトの一部であるため、神社の景観を壊さないように配慮されていて、一体感のあるデザインになっています。
マンション1階部分には、社務所と「あかぎカフェ」が入っています。
ちょうどお昼ごはん時だったので、あかぎカフェでハンバーグなどを美味しくいただきました。
腹ごしらえの後に、さらに神社境内を散策しました。
あかぎカフェの向かい側には、「螢雪天神」があります。階段下から見えていた建物は、この「螢雪天神」の社殿だったようです。
天神さまということで、受験生に大人気の菅原道真公が祀られています。
もともとは、近隣の横寺町にあった「朝日天満宮」が明治時代に赤城神社境内に移され、戦火で焼失したままになっていました。神社再生プロジェクトにより、平成17年に復興しました。
現在の「螢雪天神」は、参考書などで有名な「旺文社」が寄進したものだそうです。旺文社は横寺町にある地元企業ですが、『蛍雪時代』という大学受験雑誌を刊行していますね!
赤城神社本殿の横に回ると、下に降りる階段がありました。階段下から本殿を見上げると、やっぱりおしゃれです。
階段下にも、まだまだ見所があるようです。
江戸時代中期の俳人「巻阿(かんあ)」の句碑がありました。
観音様がいらっしゃいましたが、お賽銭箱の柄は、町火消の纏(まとい)でしょうか?なかなかユニークです。
このほか、入口からちらりと見えた赤い鳥居の奥には、「八耳神社」「出世稲荷神社」「東照宮」の3つの末社があります。
螢雪天神の下にあたる場所には、ムカデのオブジェがありました。
赤城山の神話をもとに、感染症鎮静の願いをこめて作られたそうです。令和2年5月に寄進されたばかりという最新のお百度まいりスポットです。
末社の赤い鳥居の手前には、神社の外に出る階段がありました。「神楽坂」らしい坂道の路地が見えます。ここから降りて、さらに神楽坂散歩に出かけることにしました。
アクセス
赤城神社へのアクセスは以下の通りです。
- 東京メトロ東西線『神楽坂』駅の出口1から、徒歩1分
- 都営大江戸線『牛込神楽坂』駅の出口A3から、徒歩8分
まとめ
「日本で一番おしゃれな神社」として知られる、隈研吾デザインの赤城神社(神楽坂)を訪ねました。
スタイリッシュなだけでなく、神社としての厳かな静謐さが感じられるデザインで、心地よく参拝することができました。
フリーランスライター、都内在住2児の母。趣味は着物と和裁とお散歩。個人ブログで親子の着物ライフについて発信中(こども浴衣の作り方も公開中)。
ブログ:『着物好きが育てたら、着物好きの娘になったので…』