
東京都北区王子にある飛鳥山公園を散策しました。飛鳥山公園はお花見スポットとして知られていますが、桜の名所としての歴史は古く、江戸幕府八代将軍・徳川吉宗が行楽地として整備したのが始まりだそうです。明治時代には、上野公園、芝公園、浅草公園、深川公園とともに日本で最初の「公園」に指定されました(このうち、浅草公園だけは、戦後「公園」としての指定を解除されて、浅草寺の所有地となりました)。
園内には、多目的広場や児童遊園のほか、3つの博物館と、渋沢栄一ゆかりの庭園・建築物があります。
飛鳥山を登るモノレール「あすかパークレール」
飛鳥山という名前の通り小高い丘(標高25.4m)になっています。「あすかパークレール」というモノレールがあり、車両は「アスカルゴ」と呼ばれています。モノレールの駅はJR王子駅からすぐ近くです。


このレールを登っていく「アスカルゴ」を見てみたかったのですが、残念ながらお休み中でしたので、アクリル板越しの撮影となりました。運行されていれば山頂駅まで片道約2分、無料で乗車できます。

飛鳥の小径から園内へ
線路側は緑道のようになっています。まだ開花していませんでしたが、紫陽花がたくさん植えられており、6月には見頃を迎えます。


階段を上って園内に入り、1737年に建てられたという「飛鳥山の碑」を見つけました。

飛鳥山の地名の由来や、吉宗公が桜を植えて整備したことが書かれているそうですが、儒学者が漢文で書いた文章が難しすぎて、江戸庶民にはちんぷんかんぷんだったという逸話が残っているそうです。
階段の途中に時計台がありました。下は「多目的広場」になっています。あたり一帯に、650本ほどの桜(そのうち400本がソメイヨシノ)が植えられています。


都電やD51蒸気機関車もある児童遊園
階段を下りずに公園奥へ進むと、児童遊園が見えてきました。大きなお城型の滑り台は子供に人気がありそうです。

児童遊園内には、都電の車輛とD51蒸気機関車の車輛もありました。中に入って遊ぶことができます。


3つの博物館
飛鳥山公園を挟んで、JRの線路と反対側には、明治通りと本郷通りが合流する「飛鳥山交差点」があります(ここで本郷通りが終わります)。本郷通り側には、飛鳥山公園の3つの博物館(北区飛鳥山博物館、紙の博物館、渋沢史料館)があります。



飛鳥山は、明治、大正期の実業家・渋沢栄一ゆかりの地でもあります。渋沢は、埼玉県深谷市の生まれですが、明治12年に飛鳥山に別荘を建て、明治34年から無くなる昭和6年まで、この地に本邸を構えて過ごしました。当時の建物の多くは戦火で焼失しましたが、大正期の建築物である「晩香廬(ばんこうろ)」と「青淵文庫(せいえんぶんこ)」が現存しています(どちらも国指定の重要文化財)。
残念ながら渋沢庭園は休園中で入れなかったので、青淵文庫の裏側しか撮影できませんでした。「青淵」は渋沢栄一の雅号です。2021年には渋沢栄一を主人公にした大河ドラマ「青天を衝け」の放送も予定されているので、飛鳥山もこれから人気スポットになるかもしれません。

まとめ
東京都北区の飛鳥山公園を訪ねました。JR王子駅・東京メトロ南北線王子駅からすぐそばにある公園で、江戸時代から桜の名所として親しまれています。
園内には、児童遊園のほか、3つの博物館や渋沢栄一ゆかりの建築物などもあり、子供も大人も楽しめる公園です。桜の季節はかなり混雑しますが、今回は、広い園内をのんびり散策することができました。
フリーランスライター、都内在住2児の母。趣味は着物と和裁とお散歩。個人ブログで親子の着物ライフについて発信中(こども浴衣の作り方も公開中)。
ブログ:『着物好きが育てたら、着物好きの娘になったので…』