天神様といえば梅の花で有名ですが、亀戸天神社は「藤の名所」として知られています。
亀戸天神では、毎年4月後半からゴールデンウィークの頃にかけて「藤まつり」が開催され、多くの人でにぎわいます。
2021年は、コロナの影響により、藤のライトアップも含めて各種イベントが中止となりました。
今回は、快晴の日曜日ということもあって、思ったよりも見物客が多かった印象です。混雑を避けたい場合は、平日の午前中などを狙ったほうが良いいかもしれません。

亀戸天神の由来は、天保3年(1646年)、ご祭神・菅原道真公の末裔にあたる菅原大鳥居信祐公が、当地にあった小さな祠にご神像を祀ったことによります。
江戸幕府4代将軍家綱が現在の土地を寄進し、太宰府天満宮に倣って、社殿や回廊、太鼓橋、心字池などが造営されました。江戸時代の頃は、総本社の大宰府天満宮に対して、東宰府天満宮と称しました。
心字池には橋が3本架かっています。一つ目は、鳥居をくぐると目の前に現れる太鼓橋の「男橋」、2本目は、平橋です。本殿近くに架かるもう一つの太鼓橋が「女橋」と呼ばれています。

この「太鼓橋と藤の花」は、江戸の名所の一つとして、浮世絵の画題などにもなっています。歌川広重作の「東都三十六景」などが有名です。
2021年は藤の花の見頃が例年よりも2週間ほど早かったそうです。今回訪れたときには、早咲きが満開を過ぎ、遅咲きが咲き始めた頃だったようです。
藤の花といえば、垂れ下がる花房が美しいものですが、丈が長い品種は「遅咲き」だそうです。藤の花が長く垂れ下がった様子を楽しみたい場合は、遅咲きの藤が満開になる時期を狙うと良さそうです。
ツツジの花も咲いていたので、淡い藤色と鮮やかなツツジ色のコントラストがとてもきれいでした!

たっぷり藤の花を堪能した後に、二つ目の太鼓橋「女橋」を渡ってご本殿へ向かいました。

本殿の左手には、「神牛」の像がありました。菅原道真公は「丑年」生まれで、牛にまつわる伝説がたくさんあるそうです。牛は道真公の「お使い」とされているので、天満宮では牛の像がおなじみです。
亀戸天神の「神牛」は、四肢を折り曲げてくつろいだ様子でした。参拝者が触ると、病気が癒える・知恵を授かるなどの御利益があるとされています。

亀戸天神の境内東側には、菅原道真公の北の方(奥様)を祀る「花園社」がありました。亀戸天神が創建されたときに、一緒に筑紫から勧請されたのだそうです。安産、子宝、育児の神様として祀られています。

亀戸天神の近くには、くず餅で有名な創業216年の老舗「船橋屋」さんがあります。「船橋屋」さんはあちこちに店舗がありますが、蔵前橋通りに面した「亀戸天神前」が本店です。趣きのある店舗の前には立派な藤棚がありました。
「藤まつり」の期間中ということで、かなりの行列でした。
アクセス
亀戸天神へのアクセスは以下の通りです。
・JR総武線「亀戸」駅から、徒歩15分
・JR総武線・東京メトロ「錦糸町」駅から、徒歩15分
まとめ
藤の名所として、江戸時代の頃から有名な、亀戸天神を訪ねました。
池に架かる太鼓橋と藤の花は、浮世絵のモチーフにもなっています。広い境内ですが、「藤まつり」期間中の日曜日ということで、多くの参拝客でにぎわっていました。
くず餅の老舗「船橋屋」さんにも立ち寄ってみたかったのですが、行列のため今回は断念しました。藤まつりでにぎやかなのもいいですが、繁忙期を避けて、再訪してみたいと思います。
フリーランスライター、都内在住2児の母。趣味は着物と和裁とお散歩。個人ブログで親子の着物ライフについて発信中(こども浴衣の作り方も公開中)。
ブログ:『着物好きが育てたら、着物好きの娘になったので…』