東京・豊島区にある鬼子母神堂(きしもじんどう)を訪ねました。JR山手線の池袋駅と目白駅の中間ぐらいに位置しており、どちらの駅から歩いても15分程度ですが、一番近いのは、都電荒川線の「鬼子母神前駅」です。
表参道のケヤキ並木も有名なのですが、工事中だったので、撮影は諦めて境内へ向かいました。
境内に入ると、すぐ左手には樹齢600年以上という「大公孫樹」(おおいちょう)があります。「公孫樹」というのは、「孫の代にやっと実がなる」という意味を表します。イチョウは生命力が強く、樹齢1000年を超える老木も少なくないそうなので、この木もまだこれから数百年成長を続けるのでしょうか。


大公孫樹の周囲を取り囲むように、武芳稲荷(たけよしいなり)の赤い鳥居が並んでいます。

この辺り一帯は「稲荷の森」と呼ばれていて、鬼子母神堂よりも古くからあった古社のようです。

鬼子母神堂へ向かう石畳に戻ると、左右に仁王様がおられました。丈と幅が同寸という珍しい仁王像なのだそうです。


石畳をさらに進むと、左手に「上川口屋」と書かれたお店があります。お団子屋さんかな?と思っていましたが、後で調べたら、創業1781年(!!)の駄菓子屋さんだそうです。お休みで残念でした。

鬼子母神堂の前には、ひろびろとした空間が広がっています。

いよいよ正面に鬼子母神堂が見えました。権現造のお堂には『鬼子母神』の扁額がかかっています。よく見ると「鬼」の字が一角少ないことに気がつきました。
パンフレットの『鬼子母神堂の由来と歴史』によると、インドの夜叉神の娘である鬼子母神は、幼児を食べてしまう残虐な鬼女でしたが、お釈迦様の導きで改心し、安産・子育ての神様になったのだそうです。
雑司ヶ谷・鬼子母神堂に祀られているのは、子安の神様としての鬼子母神であるため、「鬼」のツノが無い漢字を当てているのだそうです(記事内では表示できなかったので、下の画像でご確認ください)。なお、この「ツノ」がつかない形が本来の字形だったという説もあるようです(▶「鬼」がつく神様~中編・入谷鬼子母神)

正面の階段を上ると、広々とした板張りの「縁」がある立派な造りのお堂でした。

鬼子母神堂の手前、右側には大黒堂があります。「雑司ヶ谷七福神」の一つだそうです。毎週土・日曜日に、子宝祈願の「おせん団子」を頂くことができます。

鬼子母神堂の右手には、鬼子母神像がありました。優しい菩薩形の鬼子母神です。

そのままお堂の裏手側にまわってみました。鬼子母神堂と背中合わせになった形で、妙見堂というもう一つのお堂があり、「妙見菩薩」が祀られています。

まとめ
東京豊島区雑司ヶ谷にある鬼子母神堂を訪ねました。池袋駅から徒歩15分という立地にも関わらず、境内はゆったりとした空間が広がっていました。
立派な権現造のお堂には、安産・子育ての神様である鬼子母神が祀られています。
江戸時代から境内で営業している駄菓子屋さんは、残念ながらお休みでした。次に訪ねるときは、ぜひ創業1781年の上川口屋さんでお買い物してみたいなと思います。
フリーランスライター、都内在住2児の母。趣味は着物と和裁とお散歩。個人ブログで親子の着物ライフについて発信中(こども浴衣の作り方も公開中)。
ブログ:『着物好きが育てたら、着物好きの娘になったので…』