東京には文化財9庭園と呼ばれる都立庭園があります。
東京都立文化財9庭園:
- 浜離宮恩賜庭園(中央区)
- 旧芝離宮恩賜庭園(港区)
- 小石川後楽園(文京区)
- 六義園(文京区)
- 旧岩崎邸庭園(台東区)
- 旧古河庭園(北区)
- 向島百花園(墨田区)
- 清澄庭園(江東区)
- 殿ヶ谷戸庭園(国分寺市)
今回は、墨田区にある『向島百花園』を訪ねました。9庭園はもともと大名庭園だったものがほとんどですが、向島百花園はちょっと趣きが異なり、庶民的な文人趣味の庭として知られています。
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庭園の周囲も素敵な竹垣でした。金木犀の甘い香りに秋を感じます。

入口には、秋らしい鉢植えも置いてありました。

園内には、句碑などの石碑が30基ほどあるほか、俳句に草花の絵が添えられた行灯があちらこちらに立てられていました。

秋の七草といえば、萩、桔梗、藤袴、女郎花、ススキ、撫子、葛ですが、そのうちのいくつかを見つけることができました。



そして、向島百花園といえば、「萩のトンネル」が有名です。竹を組んだトンネルには白と紫の萩がたくさん咲いていました。


迷路のような園内を歩いていくと、ヒョウタンやヘビウリのつる物棚もありました。


庭園には欠かせない池も、文人趣味らしい自然な風情で落ち着きます。水面には、萩の花びらが浮かんでいました。スカイツリーもすぐそこに見えて、不思議な光景です。

池の向こう側には竹林の小径も続いています。

曼殊沙華もあちらこちらに咲いていました。

江戸時代に向島百花園を作った骨董商人の佐原鞠塢(さはらきくう)が信仰していたという、福禄寿の小さなお堂もあります。隅田川七福神の一つに数えらえ、お正月には七福神めぐりの人でにぎわうそうです。

園内には、「御成座敷」という日本家屋があり、句会などの集会に使用されています。酒井抱一の設計とされていますが、戦災で焼失しており、現在の建物は1958年に再建されたものです。

御成座敷の近くでは、ウメモドキが赤い実をたくさんつけていました。

コロンとした蕾が可愛らしい紫色の花を見つけました。カリガネソウと言うようです。

最後に、売店で糀の甘酒をいただきました。
アクセス
向島百花園へ電車で行く場合、最寄は以下の通りです。
- 東武スカイツリーライン『東向島』駅から徒歩8分
- 京成押上線『京成曳舟』駅から徒歩13分
まとめ
東京都立文化財9庭園の一つ、向島百花園を訪ねました。
向島百花園は、町人文化が隆盛だった文化文政年間に造られた文人趣味の庭園です。大名庭園とはまた異なる庶民的な趣きがありました。
向島百花園の名物にもなっている『萩のトンネル』のほか、様々な秋の草花を楽しむことができました。
フリーランスライター、都内在住2児の母。趣味は着物と和裁とお散歩。個人ブログで親子の着物ライフについて発信中(こども浴衣の作り方も公開中)。
ブログ:『着物好きが育てたら、着物好きの娘になったので…』