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ホトトギスの咲く殿ヶ谷戸庭園を散策【東京都・国分寺市】

東京都には、国と都の名勝に指定された9つの庭園があります。

東京都の文化財9庭園

  • 浜離宮恩賜庭園(中央区)
  • 旧芝離宮恩賜庭園(港区)
  • 小石川後楽園(文京区)
  • 六義園(文京区)
  • 旧岩崎邸庭園(台東区)
  • 旧古河庭園(北区)
  • 向島百花園(墨田区)
  • 清澄庭園(江東区)
  • 殿ヶ谷戸庭園(国分寺市)

今回、9庭園のうちで唯一、都下にある「殿ヶ谷戸庭園」を訪ねました。

殿ヶ谷戸庭園の入口

殿ヶ谷戸庭園は、土佐出身の実業家・江口定條(えぐちさだえ)が別荘を構えたのが始まりです。江口は、三菱合資会社の社員から、後に満鉄の副総裁となった人物です。昭和4年、三菱合資会社の取締役・岩崎彦彌太がこの地を買い取り、回遊式庭園を完成させました。

庭園に入ると、大きな芝生が広がり、視界が開けました。

殿ヶ谷戸庭園の大芝生

石畳の小径を進むと、「萩のトンネル」がありました。萩のトンネルというと、向島百花園が有名ですが、殿ヶ谷戸庭園の物は、向島百花園よりもあっさりしていて明るい印象です。残念ながら花は終わっていましたが、竹製のトンネルには趣きがありました。

萩のトンネル(殿ヶ谷戸庭園)

萩のトンネルを抜けると、藤棚があります。藤棚の横には、殿ヶ谷戸庭園周辺の地形についての解説板がありました。

『殿ヶ谷戸庭園の崖と湧水』についての解説

殿ヶ谷戸庭園の最大の見所は、国分寺崖線」と呼ばれる自然の崖と、湧水を利用した池です。このような湧水が、やがて「野川」へと流れていくのですね。ここから少し下流では野川公園が市民の憩いの場となっています。

竹林の横の小径を抜けて、「次郎弁天池」を目指しました。

殿ヶ谷戸庭園の竹林

殿ヶ谷戸庭園では、武蔵野の山野草が見られるのも楽しみの一つです。数種類のホトトギスの花が咲いていました。

白に紫の斑模様のホトトギス(殿ヶ谷戸庭園)
白のホトトギス(殿ヶ谷戸庭園)

このほか、花の終わったレンゲショウマには、種を採取するために袋がかぶせてありました。野草が大切に保護されているのがわかります。

種採取中の野草(殿ヶ谷戸庭園)

崖の下に「次郎弁天池」が見えてきました。

殿ヶ谷戸庭園は、国分寺崖線」という武蔵野台地の河岸段丘を利用した造りとなっています。

段丘崖(「ハケ」とも呼ばれる)からは地下水が湧き出しているところがあり、次郎弁天池は、この湧水を利用して作られています

「次郎弁天池」への階段(殿ヶ谷戸庭園)
殿ヶ谷戸庭園の湧水
次郎弁天池(殿ヶ谷戸庭園)

崖の上には、「紅葉亭」という数寄屋造り風の茶室があります。

モミジの葉はまだ色づいていませんでしたが、もう少したつと文字通り紅葉を堪能することができそうです。

『紅葉亭』(殿ヶ谷戸庭園)
茶室『紅葉亭』の玄関(殿ヶ谷戸庭園)

紅葉亭の横には、井戸水を利用した「鹿おどし」がありました。涼やかな音でお茶席に風情を添えてくれそうです。

鹿おどし(殿ヶ谷戸庭園)

紅葉亭から本館に向かう途中の小径では、木の葉が少しだけ色づき始めていました。

秋の殿ヶ谷戸庭園

本館は、岩崎彦彌太の別邸だった建物です。当時の食堂だった部屋が展示室として公開されています。レトロなデルビル磁石式電話機などが展示されていました。

殿ヶ谷戸庭園の本館
デルビル磁石式甲號卓上電話機(殿ヶ谷戸庭園)

アクセス

殿ヶ谷戸庭園へは、JR中央線、西武国分寺線、西武多摩湖線の「国分寺」駅南口から、徒歩2分です。

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まとめ

都立文化財9庭園の一つ、「殿ヶ谷戸庭園」を訪ねました。

9庭園には三菱財閥の岩崎家ゆかりの庭園がいくつかありますが、殿ヶ谷戸庭園もかつて岩崎家の別邸だった場所です。

武蔵野の山野草もこの庭園の見所の一つですが、今回は夏から秋にかけて咲き続ける「ホトトギス」を見ることができました。

国分寺崖線の湧水を利用して作られた「次郎弁天池」の周囲には、モミジの木が植えられています。紅葉の季節にまた訪れてみたい庭園です。

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