東照宮は「東照大権現」徳川家康公を祀る神社です。日光東照宮が有名ですが、江戸時代には全国に500社以上建立され、現在でも130社ほど残っているそうです。
上野東照宮は、1627年に創建され、現在は上野公園内に位置しています。
今回は不忍口の鳥居から境内に入りました。この鳥居は、明治6年に、江戸城内の紅葉山東照宮から移築されたものです。

階段を上ると、石灯籠の並ぶ参道があります。上野東照宮は、とにかく灯籠だらけです。石灯籠だけで200基以上もあるそうです。ほとんどが創建当時に諸大名から贈られたもので、かなり古いものです。

石の大鳥居をくぐります。鳥居の横にある売店が何ともレトロな雰囲気です。

続いて境内入口の門をくぐります。見上げると、たくさんの千社札がありました。


境内に入ると、右手には五重塔も見えます。もともとは上野東照宮の一部でしたが、明治の神仏分離令により寛永寺の管轄となったそうです。現在は東京都に寄進されていて、全体を拝観するには上野動物園に入園する必要があります。

さらに進むと、立派な神楽殿がありました。

左手に手水舎があります。コロナの影響で柄杓が撤去されていましたので、ちょろちょろと流れるお水で手を洗いました。

向かい側にはもう一つ手水舎らしきものがありますが、大きな石の鈴が飾られており、水は入っていません。

江戸三大石匠とよばれる石工・酒井八右衛門が奉納したもので、何故「鈴」なのかは不明ですが、とにかく珍しいものだから目立つようにと手水舎に飾られたようです。
この手水舎の裏手には立派な橘の木があり、たくさんの実をつけていました。

これまで、たくさんの石灯籠を見てきましたが、狛犬さんの周りには、銅灯籠が所狭しと並べられていました。

上野東照宮の社殿は唐門と透塀の向こうにあります。唐門の外側からお詣りすることもできますが、拝観料を納めると透塀の中に入ることができます。

せっかくなので拝観料を納めて中に入ってみることにしました。
またまた石灯籠がたくさん並んだ奥には、通称「お狸さま」と呼ばれる「栄誉権現社」があります。「他を抜く」ということで、出世祈願や合格祈願に人気だそうです。


透塀の入口をくぐって、内部に進みます。透塀は上部に「野山」の動植物、下部に「海川」の生物の彫刻が施されています。
彫刻は200枚以上にも及ぶそうです。透塀の外側からも一部見ることができます。一つ一つの意匠が素晴らしく、時間を忘れて見入ってしまいました。
親切に写真撮影用の台も用意されていました。


唐門と社殿は、色とりどりの彫刻で飾られていて、金色に輝く豪華な造りです。


まとめ
上野恩賜公園内に鎮座する「上野東照宮」を訪ねました。
灯籠だらけの境内は独特の雰囲気があります。透塀の中に入るのには拝観料がかかりますが、見事な彫刻には一見の価値ありです。
今回、ぼたん苑の「冬ぼたん」を目当てに訪れたのですが、ほかにも見所がいっぱいで楽しめました。
フリーランスライター、都内在住2児の母。趣味は着物と和裁とお散歩。個人ブログで親子の着物ライフについて発信中(こども浴衣の作り方も公開中)。
ブログ:『着物好きが育てたら、着物好きの娘になったので…』