
沖縄には様々な琉球王国時代の城跡が残されています。
その中でも遺構がよく残っているとされる「中城城跡(なかぐすくじょうあと)」を訪れました。
日本の100名城の1つで、また2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されています。

中城城跡は沖縄の中部に位置する中城村(なかぐすくむら)にある6つの郭からなる山城です。
14世紀後半頃に築かれその後、護佐丸という城主によって増築され今の形に完成されました。
約33,400坪の広さがあります。

入り口からさっそく坂道を上っていきます。
中城城跡は標高約160mの位置の高台にあります。

頂上に着くと広々とした城内に大きな郭が佇んでいます。
こちらは三の郭で、曲線と建築技法が琉球の城(グスク)の中でも最高峰と言われています。
エイサーや琉舞、獅子舞、プロジェクションマッピング等のイベントにも使用されています。

中城城跡には以下3種類の石積みがあります。
・あいかた積み
・布積み
・野面積み
三の郭は石が多角形に加工された「あいかた積み」という複雑な積み方をされています。

郭前は開放感のある広場になっています。
幼い頃に学校の遠足で訪れていた記憶があります。

アーチの形が美しい門をくぐり抜けて二の郭へ向かいます。


曲線が特徴的な二の郭。
こちらは布積みといって長方形の石を組み合わせた積み方です。

二の郭からは東側に太平洋の絶景、西側には東シナ海を一度に望むことができます。


正殿があったとされる一の郭です。
戦前は中城村役場に使用されていましたが沖縄戦で焼失しました。


雨乞いの拝所や聖域とされる離島の久高島を拝む拝所等、城内には8箇所の拝所があります。

沖縄特有(?)の注意書きがあります。
遭遇することは滅多にありませんが念のため草むらを避けながら見学します。

正門はアーチ状ではなく石垣が積まれています。

正門近くの城壁下側に大きく穴が空いている部分があります。
これは第二次世界大戦中に日本軍が城壁の奥に壕を建設するために爆薬で破壊した跡とのことです。

城壁の外側に大きく窪んだ箇所がありました。

こちらは鍛冶を行っていたとされる場所でした。
城内で見られる植物達
自然溢れる城内では様々な植物を見ることもできます。
訪れた際は探してみてはいかがでしょうか。

ふっくらとした白い花が特徴の月桃。沖縄に多く自生しています。
月桃の葉には殺菌効果があり、郷土料理の餅を包むのに使われたり化粧水やアロマオイル等にも利用されています。

南国をイメージするハイビスカスも春から秋にかけてほぼ年中花を楽しめます。

実はアメリカの提督ペリーは浦賀を訪れる前に沖縄に立ち寄っています。
中城城跡にも訪れたとの記録が残されています。
ペリーが沖縄から持ち帰ったテッポウユリが欧米のイースターリリーの原種になったとされています。
城主・護佐丸の墓へ

中城城跡から5分ほど歩くと城主・護佐丸の墓があります。
せっかくなのでそちらにも訪れてみました。
入り口前は花々で綺麗に整備されています。

林の中を長い階段が続きます。頂上まで一苦労です。

眼下には中城湾(太平洋)を望めます。
高い地形に墓があることが分かります。

護佐丸の墓に着きました。かなり大きな墓です。
亀甲墓と言う沖縄の古くからの墓様式です。
沖縄では日本本土にあるような四角柱形の墓ではなく、亀甲墓が主流となっていますがその中でも最も古い墓です。

台風がよく通過する沖縄では古い家屋の前によく防風林としてゴムの木が植えられています。
護佐丸の墓の前にも風から守るように植樹されていました。
まとめ
独特の曲線が特徴的な中城城跡に訪れました。
一つの城跡の中でも石の積み方に違いがあり、それぞれ見比べてみるのも面白いです。
また沖縄の文化を知ることができる一つとして護佐丸の墓にも足を運んでみるのもおすすめです。