
横須賀市にある記念艦「三笠」を訪れました。
三笠は世界に残っている最も古い鋼鉄戦艦で、功績をあげた艦船としてアメリカの「コンスティチューション」、イギリスの「ヴィクトリー」と共に「世界三大記念艦」の一つとされています。

日露戦争時の日本海海戦にて旗艦(指揮をとる軍艦)として活躍した三笠は終戦後に爆破事故や座礁により廃艦の危機にありましたが、アメリカ軍や海上自衛隊、三笠保存会の協力によって昭和36年5月27日に復元が完了されました。

艦首は皇居の方角に向けられており艦首飾りは菊花紋章が付けられています。
戦艦三笠の甲板から艦橋・艦内へ

前甲板に上がってみました。
巨大な30㎝主砲が2門装備されていています。
間近で見ると一層迫力がありました。後方にも同じく2門装備されています。

頭上にはZ旗がはためいています。
国際信号旗の一種であるZ旗はそれ自体では「引船が欲しい」という意味ですが、日本海海戦時の日本では負けられない一戦であるとして掲げ、艦隊全体を鼓舞した特別な意味合いがあります。

無線電信室前の甲板だけほかと色が違う部分がありました。
明治33年建造当時のチーク材甲板とのことです。

階段を上がって艦橋にも行くことができます。


最上艦橋まで上ってみました。高い位置にあるため風が強く感じました。
足元には金属のプレートがはめ込まれています。
このプレートには日本海海戦時にここで立って指揮を執ったとされる東郷平八郎や加藤友三郎、秋山真之、伊地知彦次郎らの名が記されています。

艦内には長官室や艦長室、士官室などの部屋を見ることができました。
ここ士官室は会議や食事に使われていたとのことです。

建造された当時艦内に備え付けられていた英国製の洗面台。
説明書きによると鏡の後ろが給水タンクになっており排水は下部のタンクに貯めて処理するようになっているようです。

連合艦隊の各司令官や艦長との作戦会議、来賓の応接などに使われた長官公室。
1902年頃にイギリスで製作されたと思われるマホガニー製のテーブルが置かれています。
出入り口が狭い艦を考慮して組み立て式になっており、さらに床の傾斜を考慮して脚の長さが異なっていたりと三笠に合わせて工夫されている設計に驚きました。

連合艦隊司令長官の東郷平八郎が執務していた部屋です。
豪華なデザインのインテリアでとても綺麗な部屋でした。

中央展示室には東郷平八郎愛用品のドイツ製の双眼鏡や手帳などが展示されていました。



日本海海戦直前の三笠艦橋の様子を描いた大きな絵画がありました。画家・東城 鉦太郎作です。
中央の右手で双眼鏡を持っている人物が東郷平八郎です。

訪れた時期はちょうど「艦隊コレクション」という期間限定展示が行われていました。200隻以上の精巧な艦艇の模型が飾られていて圧巻でした。

VRゴーグルによる日本海海戦の様子を体感できるコーナーもありました。
海戦時は東郷平八郎や秋山真之らと一緒に実際に三笠の最上艦橋に立っているような目線で体験でき臨場感がありました。
まとめ
日露戦争を戦い抜いた「三笠」を訪れました。
歴史的に貴重な遺産として「日本遺産」にも認定されいます。
外観も見応えがありますが艦内にも様々な展示があり、ボランティアガイドの方による案内ツアーも開催されていて見所たくさんのおすすめのスポットでした。