東京都に、羽田空港以外にももうひとつ空港があるのをご存知でしょうか。成田空港?いえ、正確には成田空港は千葉県ですね。
実は、あまり知られていませんが、本州と伊豆諸島(大島、新島、神津島など)を結ぶ離島航空路の拠点が東京都・調布にあります。それが東京都営「調布飛行場」です。
戦後、米軍の管理下におかれたこの空港も1973年には返還され、現在はプロペラ機が発着する民間の飛行場として利用されています。

引用:https://www.kouwan.metro.tokyo.lg.jp/rito/tmg-airport/chofu/teikikoukuuro.html
伊豆諸島と言われるとつい忘れがちですが、どの島も「東京都」の島です。
都心から最短の楽園ともいえるこれらの離島。離島というとアクセスにかなり時間を要するように思われがちですが、例えば大島までは飛行機ならなんと25分!ちょっとした日帰り旅行でも行けるのではと思えるほどの近さです!

こちらが調布飛行場のターミナルです。もちろん成田空港や羽田空港とは規模が違いますので、もしかしたらターミナルだけみれば、地方都市の主要駅より若干小さい位かもしれません。
空港としては、滑走路も800m×30mと決して大きくはありませんが、それでも敷地全体は東京ドームが8.3個ほど入る広さで広大です。飛行機や空港が好きな方にとっては、より間近に飛行機を楽しめるスポットとして大変おすすめなんです。

出発前で何人か搭乗者がいらしたので、席があくのを少し待って1Fの出到着ロビーを上から撮影。1Fにはこの出到着ロビーと搭乗口、手荷物預かり所などがあります。小さな空港ですが、警察官が常駐する詰所もありました。

2Fには、展望デッキがあり、特に搭乗するわけではない一般客も、思う存分飛行機を眺められます。小さな空港なので、レストランなどはありませんが、自動販売機で好きな飲み物を買ってちびちびやりながら(?)しばらく飛行機の発着を楽しむ、というのも良さそうです。

現在調布飛行場から飛び立っているのは主にこの機体。全長は16.56m。定員は19名。このコンパクトなプロペラ機で巡航速度は時速355kmというから意外と速くて驚きました。
ジャンボジェット機が時速800~900kmですから、もちろんそれよりは遅いわけですが、半分弱ほどの速度は確保しているということですね。プロペラ機の速度を知るまでは、もっと差があるのかと思っていました。
これらの飛行機は、新中央航空というコミューター航空会社が運航しています。コミューター航空会社とは、小型航空機で近距離の2つの地点を中心に結ぶ航空会社のことを言うそうです。

調布飛行場の管制塔です。見通しのよい場所に設置され、滑走路を監視し、飛行機の離陸・着陸・横断などの指示を与える司令塔の役割を担っています。

ターミナルから出て北へ少し歩くと、隣には「武蔵野の森公園」があります。こちらの公園で空港の全景を見通せる絶景の見学スポットをみつけました!
少し小高い丘になっており、高い位置から空港を見渡せるので、フェンスにさえぎられることなく存分に飛行場や発着する飛行機を見物できます。
そんなことを言っていたらなんと!ちょうど飛行機が帰着しました!6月はまだ便数がそれほど多くないため、このタイミングで遭遇できるとは思っていませんでした。

ちょうど位置的に逆光となってしまい、夕刻でもあったので少し見づらい写真で恐縮ですが、実際には写真よりももっと近い印象です。大げさでなく、手が届きそうなすぐそこに飛行機が飛んでいる、そんな大興奮の瞬間となりました!
プロペラ機の音も感じられ、大満足の飛行場見学でした。もし飛行機の離発着を見たくて行かれるなら、当日の発着のおおよその時刻をHPなどで確認してからが確実でおすすめです。

さて、通常、先ほどご紹介した旅客ターミナル以外の飛行場敷地には関係者以外立ち入れないのですが、唯一の例外があります。それが、「プロペラカフェ」です。
「プロペラカフェ」では、飛行場や飛行機の離発着をみながら食事やコーヒーを楽しむことができ、飛行機マニアに限らずその開放的な雰囲気を楽しめる大人気のカフェです。

敷地入口の受付にて「空港用地立ち入りカード」を記入すれば、カフェに入ることができます。カフェでは、以前使われていた機体でしょうか、実際の飛行機も展示されているので、好きな方には本当にたまらない空間だと思います。
通常18:30頃(冬季は17:30)まで営業しているところ、現在は短縮営業で16:00までの営業となっているようなので、行かれる方は最新の情報をご確認ください。
まとめ
次々と大型の飛行機が離発着する大規模空港も楽しいものですが、小さいとはいえやはり「空港」。広々とした敷地で開放感の中、のんびりカフェでお茶を飲みながら、また、気持ちいい風を浴びながら、芝生の上で飛行機をながめる。それほど飛行機好きでなくとも、そんな時間をすごすことで、とても豊かな休日を過ごせました。