暑い夏でも、屋外で涼を感じられる場所がないか…そう考えたどり着いたのがこちら、「川越氷川神社」でした。
川越氷川神社といえば縁結びのパワースポット、と聞き及びますが、こちらは主祭神スサノオノミコトをはじめ、祀られている五柱の神様がご家族であること、そのうち2組がご夫婦であることなどから、「夫婦円満・縁結び」の神社とされているようです。
そんな川越氷川神社では、7月~9月上旬に毎年「縁むすび風鈴」を開催されていて、よく観光誌でも取り上げられているので、一度は訪れてみたいスポットのひとつでした。
神社に到着してすぐ、頭上の風鈴が涼しげな音とともに迎えてくれます。この風鈴をくぐり、境内に一歩足を踏み入れたとたん、周りの空気がそれまでより少し涼しく感じられたのは、風鈴のおかげか、1500年の歴史を刻むこの神社の鎮守の森がなせるわざか。

風鈴はこの入口だけかと思いきや、中へ進むと壮観なほど多くの風鈴が吊るされた回廊が…!この時は週末ということもあってか、写真を撮りたい方々が列をつくって並ばれていました。
※今年はコロナ禍もあり規模を縮小して実施されたようですが、例年では2000個の風鈴を有する回廊が出現するようです。

昔から「風の便り」という言葉がありますが、昔の日本人は風が想いを運んでくれると考えていたのでしょうか。涼やかな風鈴の音が、たくさんの願いを縁結びの神様に届けてくれているのだと思えば、こんなにロマンチックなことはありませんね。

よく見ると、風鈴の短冊に願いを書いている方もおられます。これらの短冊は、「縁結び風鈴」の最後の日に焚き上げられ、天に召されていくそうです。

樹齢600年を超えるケヤキの木がご神木として祀られていました。2本のご神木が寄り添うように立っています。ご神木の周りには石段が張り巡らされていて、これに沿って8の字を描くように歩くと良いとされているそうです。
上を見れば透き通るような緑に吸い込まれそうになり、ご神木に静かに触れれば、じんわりと温かい力を頂いたような気になる。境内の中でも、特に神聖な気持ちになれる場所でした。

縁結びというご利益もあってか、若いカップルや女性が心なしか多い印象の川越氷川神社。そういった参拝者を意識してか、本当に可愛らしいお守りやおみくじがたくさんあります。
この、「鯛みくじ」もそのひとつ。小さな釣り竿で釣り上げられた鯛の中に、おみくじが添えられており、多くの方がチャレンジされていました。

主祭神であるスサノオノミコトが水の神様であられることもあり、川越氷川神社では「人形(ひとがた)流し」も体験できます。
古来から、水には人の穢れを清める力があるとされてきましたが、こちらの白い紙の人形(ひとがた)に息を3度吹きかけ、自分の体に撫でつけたあと、境内の小川に流すというものです。
自分が流した人形が、小川に設置されたしめ縄の下をちゃんとくぐりぬけるまで、しかと見届けました!これで罪や穢れは水に流された!?

最近あまりおみかけしないきゅうり串!塩もみされたきゅうりがただ串に刺されただけなのですが、これだけで夏の涼を感じられる日本人ってやっぱり風流ですよね。
そして、昔懐かしい、「ポリ茶瓶」!列車の旅で駅弁のお供にはコレ、な時代が確かにありましたね。ノスタルジーに誘われ、つい購入してしまいました!

川越氷川神社を出た先の広場に、どなたのどういった意図でかはわかりませんが、風車が四方を囲む形で飾られていました。風が吹くたび無数の風車がくるくる回る様子は、ある種壮観です。
思わぬところで風鈴以外に夏の(?)風物詩を楽しむことができました。

さて…ひととおり参拝も済ませおなかが空いた頃合いです。
川越といえば小江戸とも呼ばれ、レトロな街並みが知られた町ですが、名産の「さつまいも」もいいけれど、今回は川越で人気のベーカリーが運営する「サンドイッチパーラー」にお邪魔してみました。

これでもかと具材の入ったサンドイッチ。パンが緑色なのはほうれん草を練りこんでいるから。国産小麦と天然酵母にこだわり、無添加で手づくりと、体を気づかった本物感のあるサンドイッチです。
サンドイッチって、おいしいけれど普段そんなに頻繁には「大当たり」に出会うメニューではないと思っていたのですが、数年に1度レベルで「目をとじて味を噛みしめたくなる」サンドイッチに出会えました。
川越にいらっしゃる際はぜひお試しを!
まとめ
今回は川越氷川神社にスポットを当てた内容でしたが、古い街並み・食べ歩き・縁結びの神社参拝と、魅力が満載の川越。
真夏の涼を求めてのみならず、大切な人との縁をずっとつないでいくことを願うなら、一度は訪れたい場所だと感じました。半日では古い街並みまで楽しみきれなかったので、落ち着いたらまた足を運びたいと考えています。