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宇宙へのタイムトラベルの入り口に立つ場所【東京都・国立天文台】

「宇宙では、遠くをみればみるほど、昔を見ることになる」と研究者の方は言います。光の速さは有限で、例えば今望遠鏡で捉えた木星が本当は35分前の姿であるように、今見えている夜空の星は、既にその星が昔放った光だからです。

私たちが目視では確認できない夜空の星の先まで見ようとすること。その何気ない探求心が、宇宙へのタイムトラベルの始まりなのかもしれません。

…と、なんだかロマンチックな始まりになりましたが、本日訪れたのは三鷹にある「国立天文台」です。

「国立天文台 正門」この正門自体、また、右手奥の守衛室も国の重要文化財に指定されています

国立天文台(公式サイト)は、日本の天文学の中核を担う研究機関です。「宇宙はどのように進化してきたか」「星や銀河はなぜ生まれたのか」そんな問いを、全国の研究者とともに国内外の観測施設を使って解明するほか、国際協力研究の拠点ともなっている場所です。

その国立天文台の一部は、無料で公開されており、一般人も見学することができます。2020年7月現在、新型コロナ感染拡大防止対策のため、各建物内に入っての見学はできませんが、旧観測施設などを外側から眺めることはできるようです。

敷地内は緑豊かで散策がわりに入場される方もいるとか。守衛室で受付をし、見学ワッペンを身につけて見学スタート!

ちなみに、各見学箇所でQRコードを読み込めば、自分のスマホやタブレットで音声ガイドを聞くこともできます。ただ歩くより、何倍も楽しめますよ!

「日時計」太陽の動きによって時刻を知る時計
陽光によりできた影が何時を示しているかを見ます

正門からまっすぐすすむと、おそらく大学院生や研究者の方々が普段おられるであろう研究棟の手前に、「日時計」がありました。文字盤に落ちた影の位置から時刻を読むことができます。今は11:00少し前…?手元の腕時計もバッチリ11:00前です。

赤く塗られたところが一般の見学ルート。守衛室でMAPの載ったパンフレットも貰えます。

1888(明治21)年、麻布に設置された前身・東京天文台が三鷹に移転されたのが1924(大正13)年、関東大震災の翌年です。

敷地内には、移転当時の面影を残す大正から昭和初期の貴重な建物や望遠鏡が点在し、国の重要文化財や登録有形文化財の宝庫となっています。また、それだけでなく、世界における天体観測の最新情報なども展示されています。

「第一赤道儀室」1921(大正10)年に建てられた、三鷹に残る最古の観測室

こちらは三鷹の国立天文台では最も古い観測室で、直径6m、高さはおよそ8mです。中から空がみえるように、スリットと呼ばれる縦長の窓が開きます。2002年、国の登録有形文化財となりました。

残念ながら今の時期は入れませんが、通常時は建物の中に入って当時の天体観測に思いを馳せることができます。中の望遠鏡の様子などを見たい方はこちらからどうぞ!

太陽系ウォーク

こちらは、太陽系の距離を140億分の1に縮めた展示です。太陽から土星は実際には14億kmもありますが、ここではたったの100m。

太陽から水星へはなんと6歩、地球へは16歩で到達してしまいました!

太陽から16歩で到達した我らが地球

パネルの右斜め下あたりにある小さな三角形の先の白い点がみえるでしょうか。140億分の1の縮尺での地球の大きさは、この0.91mmほどの点です。

今まで知識として「水・金・地・火・木…」などと唱えながら太陽系の位置関係はなんとなく頭にありましたが、こうやって実際自分の足で歩くと、「火星から木星がいかにとんでもなく遠い距離にあるか」などが実感できて、結構楽しめます。

天文台歴史館(大赤道儀室)

次々と姿を現す歴史ある建物たち。こちらは、高さ19.5m、直径15mの大赤道儀室で、中には日本最大の口径を誇る65㎝屈折望遠鏡があります。主に星の位置測定をおこなってきましたが、現在は引退し、天文台歴史館としてその姿を残しています。

観測室自体に驚きの仕組みがあるようなので、次回は中の様子も見てみたいものです。

天文台歴史館内の屈折望遠鏡はこちら

引用:国立天文台HP

こちら、ドイツのカール・ツァイス社製の65㎝屈折望遠鏡は、1998年3月までその役割を果たしてくれていました。

その先も、星を観察する当時の天文学者たちにとって大切な「宇宙からのメッセージ」を受けとめる場所だった施設が続きます。

人間が宇宙を解き明かしたい探求心と、それによる天体観測機器の進化などに思いをめぐらせながら歩く知的散策です。

レプソルド子午儀

レプソルド子午儀は、130年以上の歴史をもった基本的な天文観測装置だそうです。ちなみにこの周辺、桜の木が多いので、お花見の時期は綺麗かもしれません。

まるでジブリの世界に出てきそうなフォルムの観測用建物
「ゴーチェ子午環室」半円形のドームに入口は台形の屋根という異質な形の組み合わせで個性的な建物

子午環(しごかん)とは、天体の精密位置観測に使われる観測装置。ここでは、長年目視による観察も行われていましたが、のちにデジタルカメラを使った精密な観測も行われるようになったそうです。

「太陽塔望遠鏡」塔全体が望遠鏡の筒の役割をしている建物
「6mミリ波電波望遠鏡」

なんでしょうかこの、いかにも宇宙と交信していそうなインパクトのある物体は…。

こちらの白い大きなパラボラアンテナは、1970年に建造された、日本の宇宙電波天文学の出発点ともいえる望遠鏡なんだそうです。この望遠鏡によって、当時宇宙での存在が確認されていなかった分子を発見するなどのめざましい成果をあげましたが、その後、電波天文学の中心は長野県野辺山観測所へと移りました。

この望遠鏡本体は、昭和63年に三鷹を離れ、野辺山、鹿児島にて観測に使われていましたが、2018年、役目を終え三鷹キャンパスに戻ってきたそうです。

付近はこの先も芝生に覆われていて、おそらく何度かいらしているのであろうご家族が、芝生でお子さんを遊ばせていました。近所の方が空いている公園代わりに使うほど、のどかで自然環境豊かな場所です。

「4D2Uドームシアター」ハイクオリティの宇宙立体映像が無料で観覧できる

そして国立天文台のすごいところは、「天体観測にまつわる古い建物を見学できる」だけではないところ!

今回驚いたのが、この「4D2U(4次元デジタル宇宙)ドームシアター」の存在。3Dというのは映画の観覧手法などで聞いたことがありますが、ここでいう4次元とは、空間3次元と時間1次元を合わせた宇宙を、立体映像で再現したものだそうです。

「莫大なスケールの宇宙空間と時間の進化を、わかりやすく直感的に表現したい」―開発者の思いが形となり誕生したプログラム。最先端のコンピュータや観測データを駆使した最新鋭の宇宙映像が見られる施設が、まさかこんなところにあったなんて!

灯台下暗しでノーマークでしたが、人気のため予約もすぐ埋まってしまうそうです。7月から定例公開も再開されたようなので、定員は制限されているようですが、次回必ず予約して行ってみようと思います。

さて、見学も終盤にさしかかり、平日なら利用できる大学生協があると聞いていたので、外観だけのぞいてみました。(本日は日曜のため定休日)

そうすると、ななな、なんと「東大生協」…東大?とう…だい?

片言のように声をあげて確認してしまいましたが、それもそのはず。この国立天文台は、元々東京帝国大学(東京大学の前身)付属の天文台であり、今もその敷地の一部は、東京大学大学院で天文学を研究する学生たちのキャンパスとなっているんです。

つまり一般人もこの東大生協で食事をできるということ!(※現在、コロナ対策のため一般客は入場時間規制がある可能性あり要確認)

次回は、東大生に混じりたい一心で、生協も利用してみようと思います。

大学院生として国立天文台科学研究部で研究するには?

国立天文台科学研究部のサイトによると、
総合研究大学院大学 物理科学研究科 天文科学専攻に入学
東京大学大学院 理学系研究科 天文学専攻に入学
・その他大学院に所属し、国立天文台の特別共同利用研究員制度を利用
という3つの道があるようです。「国立天文台も大学」なんですね!

少年野球の練習場になるようなスペースもあります

帰り際ふと横に目をやると、少年らが野球の練習をする場面に遭遇しました。この芝生広場の端には「50㎝公開望遠鏡」というのがあり、天体望遠鏡を使って星をみる「定例観望会」がおこなわれています。

現状、新型コロナ感染拡大予防のため観望会は2020年9月末まで中止のようですが、8月以降オンラインでの実施(事前申込、抽選)も検討されているようです。

本格的な天体望遠鏡で星空を眺めるのも、一生に一度は体験してみたいですよね?オンラインも、その先の実際の天体観測も、ぜひ試してみたいと思います。

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まとめ

調布の方面からだと、少し坂をのぼった上にある国立天文台。いつも横目でみながら通り過ぎるだけでしたが、予想以上に充実した見学施設の数々に、「どうしてもっと早く知らなかったんだろう」と口惜しささえ感じました。

建物を外から見るだけでも1時間くらい楽しめたので、各施設の中に入って望遠鏡や資料の展示を見たり、事前に予約して最新鋭の立体映像プラネタリウムが楽しめたりするとなれば、これは結構なアミューズメントパークにもなりそうです。

今回は中に入れなかった施設もあるので、各施設が通常どおり再開したあかつきに、もう一度訪れてみたいと思います。待ち遠しさを胸に、施設を後にしました。

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