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涼やかな緑と湧水の野川公園【東京都・調布市】

新型コロナウィルスに関する緊急事態宣言も解除され、そろそろ旅行の話題にも明るい兆しが見えてきましたね。
ただ、まだまだ「飛行機や新幹線を利用して」や、「3密になりそうな場所」は控えたい方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「気軽に行けて」「3密にならない」のに旅行気分を味わえるスポットをご案内します!

それは…こちら!

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都内屈指のグリーンスポット・野川公園

東京都のほぼ真ん中。半径5km圏内に12の都立公園など豊かな緑が広がるエリアがあることをご存じでしょうか。英国ロンドン郊外の人気観光地になぞらえて「武蔵野コッツウォルズ」とも呼ばれるこのグリーンスポットでは、四季を彩る花や木々、川へ向かう湧き水などに癒されながら自然散策やサイクリングを楽しむことができます。

都立野川公園
野川公園の入り口

今回訪れたのはそのエリア内にある「野川(のがわ)公園」。野川?聞いたことないな…と思われる方も多いでしょうが、実は野川は、国分寺をみなもとに、小金井、府中、三鷹、調布、狛江、世田谷と流れて多摩川にそそぐ約20kmほどの一級河川

その野川を有する野川公園は、調布、小金井、三鷹の三市にまたがり、国分寺崖線(※)に接し自然観察園を有する北側と、都道246号線(東八道路)をはさんでゆるやかな起伏の芝生広場が広がる南側にわかれている広々とした都立公園です。

国分寺崖線(こくぶんじがいせん):多摩川が10万年以上の歳月をかけて武蔵野台地を削りとってできた段丘で、その周辺には多くの樹林や湧き水が残り生き物の重要な棲み処となっている。

野川公園南側・広大な芝生広場を歩く

正門を入り駐輪場を越えて少しすすむと、左右に広大な芝生広場が広がっています。晴天の5月。日中は25℃まで気温が上がり少し暑いくらいでしたが、木陰ではちょうどよい涼しい風が駆けぬけていきます。あぁ、画像でもこの薫風、伝わるでしょうか。

木陰にすわって読書もいいですね
ふと足元をみれば虫たちの食事どき

実はもともとは国際基督教大学のゴルフ場だった場所を、その周辺の「神代植物公園」や「調布飛行場」などの緑地をふくめた「武蔵野の森構想」のもとに造成をおこない、昭和55年(1980年)6月に公園として開園したとのこと。

野川公園の全体図。東八道路をへだて南北に分かれているのがわかります。
引用:https://musashinoparks.com/kouen/nogawa/

その広さは東京ドームの約10倍。なるほど、これだけ広大なら、密になりたくても密になれなさそうです。

どことなく英国の郊外コッツウォルズを思わせる!?(行ったことないですが)

公園内には子供が遊べる遊具のほか、テニスコートやバーベキュー広場、キャンプ場などもありますが、現在はお休み。自然散策はもちろんですが、感染対策は十分にとりつつも、この広い敷地を活かして仲間とバドミントンやボール遊びなど、体を動かしながら楽しむのも醍醐味かもしれませんね。

カルミア(アメリカシャクナゲ)花言葉は「大志を抱く」「野心」…こんなかわいらしい花なのに!

南側の一番奥まで来ました。ピンクのお花の向こう側にみえる都道246号線(東八道路)を陸橋でわたると、自然観察園も有する北側です。ちなみにこのピンクのお花、「カルミア」というそうなんですが、つぼみがチョコ菓子のアポロみたいでかわいくないですか?

初めて見た花だったので私自身は全く名前の見当もつかなかったのですが、Googleレンズという優秀な相棒に助けられました。

野川公園南側・自然の宝庫をめぐる

自然観察センター。100人ものボランティアの方が、公園の維持管理作業をしてくださっているとのこと。

北側に入ると、まず自然観察センターがあります。現在は自然観察園とともに休業中ですが、通常時は、中に公園内の植物、野鳥、昆虫などについて展示・解説されているほか、自然観察会レンジャーによるガイドウォークなども開催されているようです。

(通常時開館・開園時間:9:30~16:30 休館日:月曜日、12/29~1/3)※再開時期は公園公式サイトなどでご確認ください。

自然観察センターから少し歩くと、公園名にもなっている野川がおだやかに流れています。湧水の流れ込むきれいな川のほとりでは、小さなお子さん連れのファミリーが網を片手に水生の生き物を探したり、ご夫婦が静かに散歩なさったり、思い思いに過ごされていました。

野川の上流。源流は、日立中央研究所の敷地内庭園にあり、年2回開放される。

さて、自然観察センターから野川にかかる小さな「さくら橋」をわたるのが、自然観察園(入園無料)まで一番近いルートです。園内では、国分寺崖線からの湧水や豊かな土壌が、都会ではなかなかみられないはずの動植物をはぐくんでくれています。

多くの人が足をとめる看板。どこが野川の源流で、どこへ注いでいくのか、一目瞭然です。

現在は休園中ですが、カルガモカワセミなども住まうこの自然観察園では、時期によってはホタルなども見られ、都内とは思えない自然の宝庫を目の当たりにすることができます。

カルガモ。こんな至近距離でも逃げる気配さえありません。

…なんて言っていたらなんと!カルガモ夫妻?兄弟?と思わぬご対面!!

休園中なので諦めて帰ろうとしたら、柵の向こうに「え、結構前からここにいましたけど?」とすました顔で私を一瞥する彼ら。レンズに柵が入らないようもう少し寄って撮ると…

くちばしの先だけ黄色いのがカルガモの特徴。羽のあざやかな青、足のオレンジが映えますね。

左側の子が食いしん坊で一生懸命にグワグワと土をあさる中、右側の子は「いやもういいよ、疲れたよ、早く帰ろうよ~」とでも言わんばかりに、時折うずくまって休んでいました。まるで買い物中のどこかのご夫婦みたい!?

ふだんは水の上にいることが多いイメージですが、基本は雑食性で、水の中にいる水生の昆虫や水草を食べるほか、こんなふうに陸地で水辺の草の実や葉を好んで食べることもあるようです。

休園中にもかかわらず、かわいい公園の主たちに遭遇できて、ほっこりした気持ちで帰路につくことができました。

まとめ

市民の憩いの公園である野川公園雑木林を散策したり、川沿いから水生生物をのぞきこんだり、野鳥を観察したり、楽しみ方はさまざま。公園内は自転車で回れる道もあるので、サイクリングの途中に寄るのもおすすめです。

歩いて全体を1周すると優に1時間はかかります。自然観察園などが再開すれば半日、動植物が好きな方なら1日滞在できるエリアです。

現在は自然観察園含め一部休園・休館中(2020年5月27日現在)ですが、1日も早く全域が再開され、訪れた人みなが癒される空間が広がることを願っています。

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