新型コロナウイルス感染症が流行しています。外出・旅行を疑似体験していただき、少しでも皆様の気晴らしになりましたら幸いです。→ 内閣官房対策サイト

意外と穴場?花と緑で四季を楽しめる観光スポット【東京・神代植物公園】

「最近は、新型コロナの影響で遠出の旅行もできないし、近場の公園にでも行こうかな」そんな方も多いのではないでしょうか。

そんな時、ちょっと趣向を変えて、「植物園」などはいかがですか?お子さんのいらっしゃる方は迷わず動物園や遊園地が選択肢にのぼるでしょうが、そうでない場合は「外にしては涼しい」「静か」「比較的敷地が広いところが多いのでゆったり」という点でおすすめです。

本日は、東京都立神代(じんだい)植物公園を訪れました。

写真好きのお父様方が比較的看板の写真を撮られるので、意外と人気の公園門前
スポンサーリンク

神代植物公園とはどんなところ?

この公園はもともと、東京の街路樹などを育てるための苗圃(びょうほ※苗を育てるはたけ)でしたが、戦後、神代緑地として公開されたあと、昭和36年、「神代植物公園」と名前もあらたに、都内唯一の植物公園として開園されました。

事前の下調べがなくとも、園内入ったところすぐに、「最新の開花情報」を掲示してくれているので、このあと行きたいエリアをここでおおよそ見立てておくことができます。

植物公園の広さは49万平方メートル弱、東京ドーム約10個分にもおよぶ敷地の中に、約4800種類、10万本・株の樹木が植えられているそうです。

園内はバラ園、つつじ園、うめ園、はぎ園などをはじめ、植物の種類ごとに30ブロックにわけられており、好みの花を目指して一直線でもいいですし、順路にそって1周ぐるりと回ることもできます。

いたるところに木漏れ日落ちるベンチスポットがありゆっくり休めます

神代植物公園で季節の花をめぐる

バラ園の見ごろは春は5月下旬頃のようですが、まだまだたくさんのバラが咲き誇っていました。秋に咲くバラは10月中旬からが見ごろのようです。

手前の赤いバラは「ラバグルート」ドイツ品種のバラです。

日本でつくられた品種もありました。下の画像のうち、右下の真っ赤なバラは日本の品種「聖火」。国際コンクールで最高点を受賞した最初のバラでもあるとのこと。

また右上の黄色のバラは、その名も「伊豆の踊子」!踊子が着ていた着物の色をイメージしたそうです。

左上の派手なピンクのバラは「フロリック」、左下は「クイーンエリザベス」(どちらもアメリカ)、右中央は珍しい紫のバラ「ブルー・バユー(ドイツ)」

こうやって広いバラ園を練り歩いていると、ここにあるだけでも数限りない品種のバラを、世界各国のバラ農家やガーデナー達が、世の中の人に美しいと愛でてもらえるよう日々改良し作り出しているんだな、と感じ、その努力に頭が下がる思いです。

バラ園の奥には、2018年にリニューアルオープンした大温室があります。中には、熱帯の花木、熱帯スイレン室、ベゴニア、ランの部屋などがあり、季節にかかわらずきれいな花々を楽しむことができます。

バラ園の奥には、大温室

この日は外気が30℃を超える陽気だったので、「温室」「熱帯」というワードに一瞬ひるんだのですが、なんと中の方が涼しいという逆転現象が起こっていました。

換気のためか内部が暑くなりすぎないためか、ほうぼうの窓があけ放してあったのと、湿度を保つため時折上から降ってくるミストシャワーのような水が冷たく、予想以上に涼しいのです。

また、一部では空調管理のため25℃前後に設定されている花の部屋もあるので、なんだか「熱帯の温室に来て涼む」というおかしな構図に…。ありがたかったですが。

中では、形からしておもしろい、普段なかなか見られないような植物もたくさん見られます。

上は「メディニラ “火の鳥”」 下は世界最大の果実「パラミツ」またの名を「ジャックフルーツ」
パラグアイオニバス

こちらの「パラグアイオニバス」は、写真の案内にもあるように小さな子どもなら乗ってしまえそうな大きさと頑丈さです。

葉の直径は最大1.5mほどになるようなのですが、葉の裏に網の目状に広がる太い葉脈が、それ自体スポンジ状で空気がたまり、強い浮力を持っているそうです。

温室内の沼で咲き誇るスイレン

熱帯スイレン室では、水面に色彩豊かな花を浮かべる美しいスイレンを楽しむこともできます。

温室を出て園内中央まで来ると、ちょうどアジサイが綺麗に咲き誇っていました

公園の中ほどで美しく咲き誇るアジサイ

通常、6月中旬頃から7月にかけて見頃のものが多いですが、今年のアジサイは全体的に少し早いようです。

園内に2か所ほどある売店、喫茶。季節限定の「バラのソフト」など、旬の花や果実にちなんだアイスクリームをいただくのも、こういう所の楽しみのひとつですね。

いま咲いていない「うめ園」や「ボタン・しゃくやく園」などは通り過ぎ、ふと足をとめると、緑の色も美しいカエデが現れました。

見ごろは11月下旬から12月上旬。紅葉の時期は、さぞ美しいことでしょう。

カエデは、秋の紅葉のみならず新緑も美しいですね

園内には、下のような芝生広場もあります。植物観察のあいまに、家族でピクニック気分でお弁当を広げるのもよし、木陰で足をなげだしてひと休みするもよし。

付近の木陰では、草の上に寝転んでのんびりお昼寝している人もいました。

写真の中の、広場中央に遠目にみえるこんもりした丘のような植物は、「パンパスグラス」というイネ科の植物です。

芝生広場の中央にあるパンパスグラス

遠目ではなかなかその大きさがわかりづらいですが、穂が元気な時期に近くで見ると、こんなに大きいんです!(別時期の秋に撮影)

巨大なススキのようで、ひときわ目立つ芝生広場のシンボル的存在。右側の小さな女の子と比較すると、その大きさがわかっていただけると思います。

その姿に存在感もあり、観賞用としてインテリアにすることもできそうです。一般のご家庭のお庭でも育てられるそうですよ。

パンパスグラス(別名:シロガネヨシ)青い空によく映えます

1周してそろそろ出口に近づいてきた頃、そろそろ咲き終わり時期ではありますが、意外に花が残っているツツジが見送ってくれました。

ツツジ:通常は4月から5月にかけてが見ごろ

園内はかなり広く、ざっと1周まわって1時間30分ほどです。もっとじっくり、ひとつひとつの花や樹木の名前を確認しそれぞれに思いを馳せながら楽しむと、半日はゆっくりできそうです。

これから夏に向かい、さえぎるものがない場所では暑いので、帽子や日傘など日よけ対策も必ず必要ですが、園内の半分ほどは針葉樹や常緑樹の雑木林になっており、森林浴も楽しめます

本日は30℃を超えた時もある真夏日でしたが、雑木林を抜ける間は日陰となり、風が涼しく、適度な心地よさで園内散策が楽しめました。

【都立神代植物公園】開園時間は午前9:30~午後5:00(入園は午後4:00まで)、休園日は毎週月曜日。入園料大人500円(一部無料エリアも有)※最新の情報は公式HPにてご確認ください。

まとめ

神代植物公園は、雑木林も点在する広大な敷地の中で、美しい花々の競演や珍しい樹木をじっくり楽しめる、思いのほか興味深い場所でした。

すぐ近くに、都内では有数の古刹・深大寺(じんだいじ)もありますので、そちらの参拝とあわせて訪れてみるのもよさそうです。

タイトルとURLをコピーしました