護国寺は、東京都文京区大塚にあるお寺です。お寺の創建は古く、天和元年(1681)で、本堂など、境内にある建物のいくつかはその当時のものが残されています。
護国寺とは?
護国寺は真言宗豊山派の大本山で、正式名称を「神齢山悉地院護国寺(しんれいさんしっちいんごこくじ)」といいます。とても長い名前ですが、護国寺で十分通じますので、このテキスト中では護国寺で統一します。
天和元年(1681)年に、徳川5大将軍綱吉の実の母・桂昌院(けいしょういん)の願いで建立されました。桂昌院は30数度も護国寺に参拝し、その多くに綱吉も同行したそうです。
仁王門



護国寺正面の音羽通りと境内を隔てる正面の門です。円柱はけやき材、屋根は本瓦葺のとても立派なもんです。門の両脇には仁王像が祀られています。
不老門

境内に正面、石段の上にある門です。この門をくぐると病気にならず、長寿でいてほしいという願いが名前に込められています。門の正面に見える「不老」の文字は、徳川家16代当主、徳川家達(いえさと)の筆によるものです。
本堂

さらに正面には「観音堂」として建てられた本堂が見えてきます。元禄10年(1697)に建てられたもので、非常に歴史のある建物です。震災も戦災も、奇跡的に焼け落ちず今に至ります。本堂の中には、たくさんの重要文化財が集まれられていて、本堂自体も国の重要文化財に指定されています。

日中は中に入ることもできます(入れない時間帯もあります)。実際に訪れて、多くの文化財を実際に見てください。
大仏(毘盧遮那仏)

あまり知られていませんが、護国寺には大仏もあります。筑波権現(筑波山神社)から移されたものです。
鐘楼(しょうろう)

江戸時代中期に建てられたものです。記録によると、一度も消失したことがなく、当時の鐘がそのまま残されています。ただし、ここにある鐘は、新しく付け替えられたもので、創建当時の鐘は本堂内に保管されています。大晦日には先着で除夜の鐘を衝くことができます。
護国寺を散策してみませんか。
護国寺には、たくさんの歴史ある建物が残されています。それは徳川家の加護を十分に受けたことによるものでしょう。一説によると、徳川綱吉に護国寺の建立を願い出た桂昌院は、もともと京都の八百屋の娘だったそうです。そこから御殿奉公のために武家の養女になり、江戸城に上がった後は、3代家光の側室になり、将軍の母となりました。幼少時の名前が「お玉」だったことから、「玉の輿」の語源とも言われているようです。
あやかりたい方は、参拝してみてはいかがでしょう。




アクセス
- 東京メトロ有楽町線「護国寺駅」1番出口から徒歩10秒
- 都営バス「護国寺」から徒歩1分
