肥後細川庭園は、東京都文京区目白台にある池泉回遊式の庭園です。目白台の崖地の地形を上手に生かして造られています。
秋には紅葉はもちろん、細川家の重要な資金源となったハゼノキなどが見られます。
肥後細川庭園とは?

肥後細川庭園は、幕末期に、肥後熊本藩54万石の藩主細川越中守の屋敷がありました。
1959(昭和34年)に東京都が購入して公園とし、1975(昭和50年)に文京区に移管されました。庭園面積は5,000坪以上の緑豊かな庭園です。
庭園内は季節ごとに、表情を変えるたくさんの花が植えられています。特にめずらしいのは、肥後六花と言われる、熊本藩細川家門外不出の花で、肥後細川庭園では、そのうち椿(つばき)、芍薬(しゃくやく)、花菖蒲(はなしょうぶ)、山茶花(さざんか)が植えられています。

池泉回遊式庭園



庭園は、池を中心に設計されています。
遊歩道は池の周りを一周できるように作られていて、橋の上から、台地からなど、どこからでも池の表情を楽しめます。これらは後から造ったのではなく、もともとあった地形を利用して造られたそうです。
足元を照らす「雪見灯籠」

庭園内には、たくさんの石灯籠があります。
池の周辺に造られた灯籠は他のものと比べて、少しだけ低く造られてます。これは、雪見灯籠といいまして、足元を明るく照らし、池の周りを探索しやすいように造られているそうです。
細川家の学問所「松聲閣」

池のほとりには、松聲閣(しょうせいかく)と呼ばれる建物があります。
ここは細川家の学問所として造られたもので、一時は本邸として使われてたこともあるそうです。趣に富んだ部屋は、肥後六花にちなんだ名前が付けられています。2階の窓から眺めは特に美しく、細川家のお抱え絵師・杉谷雪樵(せっしょう)に「小嵐山庭園」として描かれています。

松聲閣から池はの方角は朝日が昇る方角でもあり、かつて江戸城があった方角でもあります。ここに住んだ細川家の藩主は、美しい池の向こうに江戸城への思いを馳せたのでしょう。
約9万点の文化財を管理保存「永青文庫」

庭園を探索し終えたら、小高い台地を登っていきましょう。この辺りは特に緑が多く、都心とは思えない景色を楽しめます。。
台地の上に、建物が見えます。

ここは、永青文庫といい、細川家に伝えられる歴史資料や美術品など、約9万点の文化財を管理保存、研究し、一般に公開している美術館です。入場は有料ですが、他では見られない貴重なものが展示されています。ぜひ寄ってみてください。
まとめ
肥後細川庭園は、たくさんの自然が残されています。東京23区内でゆっくり散策したい人におすすめです
アクセス
- 東京メトロ「有楽町」駅から徒歩15分
- 都電荒川線「早稲田」駅から徒歩5分
- 各種バス停から徒歩5~7分